母の日に箸のプレゼントは、どんな箸が喜んでもらえるんだろう。
前回のお箸座談会に続き、今回はスタッフが実際に”お母さん”のお宅にお邪魔して、インタビューを敢行!
3週間ほど、長さや太さ、重さ、デザインの違う6種類の箸をお家で使っていただき、それぞれの箸の好きなところ、使い心地などをお話ししてもらいました。
※それぞれの箸の詳細についてはページ下部に早見表を掲載しましたので、ご参照ください。
今回インタビューを受けてくださった田中さんは、福井県小浜市在住。池坊流いけばなの花道教室の講師資格をお持ちで、箸蔵まつかん本店のある「GOSHOEN」でも、定期的にお教室を開催してくださっていました。
ここ数年は、パンとお菓子教室に通い始め、自家製のパンやおやつを焼いて食べることが日々の楽しみ。普段は外へ出かけるよりも、家仕事をするのが大好きな田中さんです。
ご自宅の裏には手入れの行き届いた素敵なお庭もあり、お庭のお花でいけばなはもちろん、季節ごとに採れるものから、ジャムやジュースをつくったり、お漬物をこしらえたりで毎日とてもお忙しいのだそう。
ふだんからの愛用品
田中さん(以下、Tと表記):今回いっぱい箸を使わせてもらって、箸の町に住んでるけれども、こんなに箸のこと考えたことなかった!(笑)それぞれの使い心地を忘れないようにメモしちゃったわよ。
まず最初に、このSEASON01の菜箸はね、もうすでに愛用してる。カラフルな色がたくさんあるのが好きでね、娘も使っとるよ。「お母さん、あの菜箸が良いから送ってー!」ってよく言われる。
三角形で持ちやすいし、長さもいい。短い菜箸のほうが何かを炒める時には使い良いから重宝しとる。
お客さんが来た時にも、取り箸としてテーブルに置いてあげるし。いろんな色が並ぶとテーブルが賑やかになってええよ。
見ても分かる通り、かなり使い込んでるから、汚くてごめんな。ここまで使うと、逆に愛着が湧いてなかなか新しいのに変えられへんの!(笑)
ーーーいやいや、逆にこんなに使い込んでいただいてとても嬉しいです。料理好きの方がこんなに使い込んでくれるのだから、私たちも胸を張っておすすめできます!
慣れ親しんだ若狭塗箸
T:若狭塗の国光は長さでいうなら、一番私の手には使いよかった。手が小さいからね。
ーーーこちら2サイズあって、短い方の20.5cmのものですね。
T:私ら小浜の人間は、昔から若狭塗と言えば、やっぱりこういった模様が思い浮かぶのよ。王道というか、慣れ親しんだ箸の柄ね。うちの蔵にも、こんなんがガサっと置いてあるわけ。煌びやかで丈夫な箸。見慣れとるもんは、やっぱ安心感があるわ。
でもね、一つだけ言うと、これでうどん食べるのは辛かったわ…口に運ぼうと思うとつるっと滑っちゃう。
ーーーそうですね、若狭塗箸は箸先が漆仕上げなので滑らかで口当たりが良く、食べ物そのものの味を邪魔しないという利点もあるのですが、滑りやすいかもしれませんね。
T:人それぞれだとは思うけれど、一口が大きい人はしっかりと滑り止めがついてた方がええかもね(笑)
ストレスフリーな滑らない箸
T:この木漏れ日という箸は、箸先にしっかりと滑り止めが付いてて全然滑らんかった。麺類を食べる時に良く使ったよ。滑らん箸っていうのは、ストレスがなくて好きやわ。
私らの世代の人は、だんだんと手指の力も弱くなってくるから。例えば、お漬物一つ掴むのにも滑り止めがついてるとええのよ。
ーーーそうですか!それは良かった。持ち心地は重かったり、太かったりしなかったですか?
T:最初見た時には、ぽてっとして太くて持ちにくいかな?と思ったんやけど、実際に持ってみたらそんな重さや太さは気にならんかったわ。
ーーー箸先の広範囲に滑り止めが塗られているので、口当たりがざらっと気になりませんでしたか?
T:確かに他の箸と比べたら、ざらっとした感触があるのは事実やけど、でもがっと掴むんには本当に滑らなくて良いのよ。おうどんやお蕎麦の時はこれね!
ーーーここにはないのですが、正八箸や六角竹乃箸という箸先が多角形の先角の箸があって、滑り止めがないものなのですが…面と角で食べ物をしっかりとつまむことができるものもあって、それもぜひ今度試してみてください。
箸だって良いものを…
ーーーお料理に合わせて、箸を選ぶことはありましたか?
T:この拭き漆パープルハートの箸は、箸先がものすっごく細いから、何か小さいものを掴んだり、お魚の身をほぐしたりするときにとても使いやすかった。
持ち心地も良くて、私の手には一番フィット!軽いし、持った時に手指に馴染む感じが好きやった。私みたいに手が小さい人には、やっぱり細身の箸の方がいいのかも。見た目も落ち着いててええわ。
ーーーワインレッド色も綺麗ですよね。素地を活かすために拭き漆で仕上げたものです。ちなみに細身で漆だとこちらの黒檀四角の塗分け箸はいかがでしたか?
T:これもすごく良かったよ。初めはちょっと細くて短いかな?とは思ったけど。持ってみたら、手にすっと馴染んだ。上品で高級感もあるし。家のご飯を食べてるんやけど、外で懐石料理を食べているような気分になったよ。
どこのお家も器は結構こだわってええもん買うけど、箸でええやつってなかなか自分では買わんかもしれん。手の込んだもんはやっぱり違うんやなぁ〜と思ったし、こういった箸はきっと贈り物に喜ばれると思う。
洋食やデザートにも箸
T:この前、横浜のイタリアンレストランへ行ったのね。そこがナイフやフォークではなく、お料理の一品一品をお箸で頂いたの。前菜から、お肉、スパゲッティまで全部。
それがすっごく良くて、いろんなレストランがそうだったらいいなと思った。
お洒落なお店へ行くと、かっこいい感じのナイフやフォークが出てくるでしょ、それが温かみがなくって…箸だと食べやすいし、サラダをハムで巻いたり、パンに何か挟んだり、音も立たなくてほんと良かったの。
ーーー確かに、フォークとナイフって、なんとなく押して引くという1つの面上での動作が多いと私も思っていて。箸ってそう言った意味では多面的というか、いろんな角度から自由自在に掴めますよね。
T:そうそう、細かな動作ができんるんよ。あとな、この花の形してるhanatabaはほんまに可愛らしくて、食後のデザートにはきっとこの箸がええんちゃうかなって。お客さんが来た時も、「あら、可愛らしい!」って絶対なるし。
ーーー私もデザートを箸で食べるのは大賛成です!
T:フォークだと一点に力が入りすぎてボロボロっとなる時あるでしょ?だけど、箸だとうまくすーっと綺麗に食べられる。フルーツ食べる時にもええよ。
今ね、ちょうどレモンケーキ焼いてあるから、みんなで箸で食べてみよ!
ーーーええ〜、嬉しい!いただきます!
T:どこのお家でも、自分の箸はこれ!って決まっとるとこは多いと思うし、普段使ってるもんから変えることって滅多にないと思う。でも、今回これだけの種類試させてもろうて、朝・昼・晩と色々な箸の使えたのは、ほんま楽しかった!
例えば、朝はちょっと柄がついた箸で華やかにしたり、夜とかはちょっと高級感のある上品な箸でご飯いただくって、それだけでとても贅沢な気分。
箸の町で長く生きてきたのに、いっぱい使ってみて初めて気づいたよ。箸って何膳あってもええもんやなって。贈り物をするときも、あの人はお気に入りの箸を持っているだろうなと思っても、あげてほしいわね。絶対に無駄にはならないと思うから。
ーーーそうなんです!食器はたくさん持っているけど、箸っていつも同じものを何も考えずに繰り返し使っている人がほとんどだと思います。
日常のちょっとしたことだけれど、食事の度に箸を変えるだけで、生活や気持ちが豊かになりますよね。そんなことを考えながら、お客様にもお母さんへのプレゼントも選んでいただきたくて…
今日はたくさんの貴重なご意見と嬉しいご感想をありがとうございました。
商品の早見表
(商品ページへのリンクは下記に記載)
※太さは箸先から15cmのところで計測しました。ここでの標準は7mm〜7.5mmとします。
※クリックで画像が拡大できます