知って嬉しい!「箸」に込められた意味
「食事は神様と一緒に食べるもの」という「共食信仰」が根強い日本では、食事のときは箸に神様が降りてくると考えられていました。そして箸の持ち手は神様が、箸先は人間が食事をするためにあるとされていました。箸は神様と人間をつなぐ神聖なものなのだったのです。神様とは、自分たちを生かしてくれる大きな力のことでしょうか。
その名残は言葉にも残っており、「はし」という言葉そのものにも「間を取り持つもの」「つなぐもの」「結ぶもの」という意味合いがあることが言われています。(例えば、「箸」の他に「橋」「柱」「梯子」なども同様)
私たちが毎日何気なく使用している箸。たくさんある暮らしの道具の一つに過ぎませんが、実は私たち日本人にとって命をつないでいくための生命線のようなものなのですね。
そんなことを知ると、お箸を買うこと、贈ることがもっと充実した時間になるように思います。
健やかで幸せな食卓を祈って、お箸を選んでみてくださいね。
参照:「万葉余滴 やまとことば 岩松空一 小学館スクウェア」 「箸の本 本田總一郎 柴田書店刊」