お箸の専門店 箸蔵まつかん

究極の細さを持つ箸

はじめてこの箸を手にした方は、まず端麗な見た目に目を奪われるでしょう。そして他に類をみない箸先の細さに驚くはず。究極の細さは、食材のみを舌に感じさせ、まさに箸本来の役割を体現していると言えるのではないでしょうか。

持ち手だけではなく、箸先まできっちり続く端正な六角形から『六角竹乃箸』という名前で販売しているこの箸は、私たちが扱う箸の中で唯一、竹を伐採するところから最終仕上げまで、一貫して一人の職人によって作られています。

最高の素材と最高の技で作られる箸蔵まつかんの「極シリーズ」の中でも、唇に触れた感覚がしないほどの細さが魅力です。

 

400年の伝統を持つ漆器産地:香川

香川漆器の技法の一つ『蒟醤(きんま)』の作品。 出典:香川漆器工業協同組合「https://www.kagawashikki.org/kinma」

『六角竹乃箸』を作っているのは、香川漆器の伝統工芸士・中田陽平さん。お祖父様の代から受け継がれる『中田漆木』の三代目です。

「香川=漆器」のイメージはあまりないかもしれませんが、実は江戸時代から400年以上続く由緒ある漆器産地。「蒟醤(きんま)」「存清(ぞんせい)」「彫漆(ちょうしつ)」「後藤塗(ごとうぬり)」「象谷塗(ぞうこくぬり)」と呼ばれる5つの技法が国の伝統工芸品に指定されており、「蒟醤(きんま)」「彫漆(ちょうしつ)」で、これまでに6人の重要無形文化財保持者(人間国宝)を輩出しています。また、現在全国で11人が登録されている漆芸の重要無形文化財保持者のうち、3名が香川の職人。このことからも、香川漆器が日本の漆芸界において重要な役割を担っているかがわかります。

さらに、国内で漆芸を学べる公営の専門機関があるのは、日本一の漆器産地と名高い輪島と並んで、香川の2か所のみ。技術の継承の点においても、香川は日本の漆芸の重要な拠点となっているのですね。

 

竹の伐採から塗りまで一貫自分たちでつくる|職人兄弟の挑戦

「中田漆木」の3代目 ー 中田大輔さん(写真右から2番目)と中田陽平さん(写真右)兄弟

「この辺りは山林が豊富。良質な広葉樹が取れたこともあって、机などの家具作りが活発で。特に高度経済成長期は、座卓が生活の必需品だったこともあり盛んに作られていました。香川の漆器組合は、もともと家具屋と漆屋が集まってできたんです」と営業を担当する陽平さんのお兄さん・中田大輔さんが香川漆器の歴史的背景を教えてくれました。

「子どもの頃は親父が工房で忙しそうに机を作るのを見ていた」という陽平さんは、高校を卒業後、家業である『中田漆木』を継ぐことを決意。香川県漆芸研究所で学び、「塗師(ぬし)」として伝統工芸士になりました。

「漆器の世界って、木地屋が木地を加工して、塗師屋が漆を塗るっていう分業制が一般的だと思うんです。ただ、木地屋の方も高齢化が進む中で、仕入れも難しくなってきた。かといって、高い値段を払って木地を仕入れれば、仕上がったものはお客さんの手に届きにくい価格になってしまう。そんなことを悩んでいたとき、放置竹林の問題を耳にして、竹林の有効活用として、自分たちで箸を木地から作ることができるんじゃないかと思ったんです。漆を塗ることは勉強しましたけど、木地加工は独学。なんでも自分たちでやってみようと思ってね。最初は市販の竹箸を加工してみたら、それがあまりに脆くて。一瞬で折れるんですよ。なんでこんな脆いんやろう?と考えて、形状や、細さの限界を探りながら、改良を重ねました」

目視で六角形に整えていく

陽平さんの箸は、竹細工の伝統工芸士と見まがうほどの精妙さ。その技が独学なんて驚きです。

理想の竹箸を求めて試行錯誤する中、讃岐漆芸美術館の館長・多田博文さんとのご縁があり、多田さんが所有する香川県内の竹林の孟宗竹を活用することに。今では陽平さんと大輔さん、多田さんたち自ら竹を切り出し、乾燥・加工・塗り・仕上げは全て中田漆木で行っています。 

写真左:讃岐漆芸美術館の館長・多田博文さんと中田兄弟

目と指先の感覚を頼りに|職人技で作る六角形

それにしても、この美しい六角形はどうやって作っているんでしょう。以前から不思議に思っていましたが、加工現場を見せてもらってその答えに驚きました。

高速回転する大きなサンダーに、四角に割った竹材を1面ずつ押し当てていきます。頭に六角形のガイドとなる印は押されているものの、実際の仕上げはほとんどが陽平さんの”目”と”指先”の感覚によるものです。

「SNSでこの作業風景をご覧になった海外の方から『これは手作業じゃなくて、機械仕事だ』とコメントをもらったこともあるんです」と陽平さんは苦笑いしていましたが、サンダーを使っているとはいえ、この繊細な指先の感覚は簡単に真似できない職人の妙技です。

箸先を加工するのも、同じ方法。箸先の部分にかけてサンダーに押し付ける力を強くして徐々に細く加工していきます。見ているこちらは指先がサンダーに触れてしまいそうでヒヤヒヤとするけれど、陽平さんは「そこはもう感覚ですね」とあっさり。

「もっと箸先を細くできるんじゃないかと思うときもあるんですけどね。でも、これ以上細くすると逆に食べにくくなる。だから、そこは自分を抑えているんです」

職人として限界に挑戦したいという気持ちが入り混じる陽平さんの表情は、どこか少年のよう。

入念な段取りがあるからこそ|塗師による拭き漆仕上

最後は本職である漆塗りの仕上げ。磨き3回、塗りは4回と丁寧に繰り返します。

「塗師でありながら、漆を塗っている時間は本当にわずかなんです。塗師と言って良いのかって思うぐらい」と陽平さんは少し自嘲気味に笑います。すかさずお兄さんの大輔さんが「塗師ですよ」と返し、兄弟の信頼関係が見て取れました。

ビジネスの世界に「段取り八分」や「準備八分」という言葉があります。「入念な段取りがいい仕事につながる」といった意味を持つ格言です。竹の伐採から仕上げまで、陽平さんのものづくりの現場を拝見していると、その言葉が思い浮びました。本人は「生活がかかっているからやっているだけですよ」と謙遜しますが、塗りの工程にたどり着くまでのひとつひとつに、想像以上の手間と時間がかかっています。陽平さんの箸づくりは、まさに“段取り”の連続。すべては、塗ったときに最高の状態で仕上げるためにあるように感じました。

あらゆるモノが日本だけでなく世界中から簡単に手に入る時代。そんな中で、最初の竹の伐採から最後の仕上げまで、すべてを一貫してやりきるというのは、相当な忍耐がなければできないのではないでしょうか。それでも陽平さんが続けているのは、陽平さんの心の中に、ものをつくる喜びと情熱があるからでしょう。

食材の味を引き立てる、静かな立役者『六角竹乃箸』には、一人の職人が積み重ねた手間と工夫、そして何より、ものづくりへのひたむきな情熱が込められています。派手さはなくとも、使うたびにやさしい余韻が残るような、大切な1膳になること間違いなしです。

text by:
嶋田愛梨

photo by :
堀越一孝

■六角竹乃箸 夫婦 23.5cm/21.5cm
22,000円(税込)
https://www.hashikura1922.com/view/item/000000001249

■六角竹乃箸 23.5cm
11,000円(税込)
https://www.hashikura1922.com/view/item/000000001250

■六角竹乃箸 21.5cm
11,000円(税込)
https://www.hashikura1922.com/view/item/000000001251

 

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