《インテリアライフスタイル 2025》出展の御礼
前回の出展から12年。
箸蔵まつかんとしては久しぶりとなる「インテリアライフスタイル」へ出展してきました。

昨年、ブランドのフラッグシップとなる「rankak」を発売。この商品は開発段階から複数の展示会に出展し、資材やプロモーション用アニメーション、ブランドブックの制作においても、社外のプロフェッショナルと一緒に取り組んできました。
“若狭の美しさを再び拓く”をテーマに、若狭塗の伝統工芸士・古川勝彦氏と共に、産地でも稀少となった「抜き模様」の技術を現代の食卓に蘇らせました。

若狭塗の伝統工芸士・古川勝彦氏と共に作り上げた若狭塗箸「rankak」
私たちのルーツである若狭塗は、日用品ではなく調度品や贈答品として用いられてきました。塗師への注文方法も独特で、お客様は塗りの施されていない木地や刀の鞘を差し出し、好みの模様を依頼。その完成には一年以上を要することも珍しくありません。
現在、スーパーマーケットに行けばあらゆる食材が手に入り、ショッピングモールでは衣類や雑貨を手軽に買い換えられるファストな時代です。
そんな今だからこそ、私たちは「rankak」を通して、長く愛される道具としての箸を提案しています。
おかげさまで百年企業となることのできたブランドとして、rankakの資材デザインなどでも伴走してくれたtremaの舩越勇毅さんにブースのデザインをお願いし、「行燈のように柔らかく、歴史を映すような」展示ブースや什器をご提案いただきました。

tremaの船越勇毅氏にデザインディレクションを依頼した出展ブース。行燈のような柔らかな灯りに、来場された方も足を止めてくださいました。

舩越さん自らも、現場で調整してくださいました!写真左
展示会では、多くのお客様の印象に残るブースを目指し、華やかで他と差別化された設営が求められます。その一方で、毎回新調し廃棄を前提とした運用には疑問もあり、今回はリユース可能なブースづくりに挑戦しました。

小浜の指物屋に依頼した箸什器。
使用した什器は地元・小浜の指物屋に依頼。淡い光を生むパネルには、同じ福井県の五十嵐製紙による手漉き越前和紙。その和紙には、箸を加工する際に生じる大鋸屑や木片を漉き込んでいただきました。

五十嵐製紙に伺い、どのような和紙が光を綺麗に見せられるか試行錯誤。
構造材には再使用可能な単管パイプを使用し、床材にはタイルカーペットを、垂れ幕には北前船の帆布を復刻する地元メーカー製の生地を用いました。
設営日には、ブース材料を小浜から東京の会場までトラックで運搬。社長をはじめとする本社スタッフも現地に入り、自ら単管の組み立てや和紙壁面の設置、什器の設営を行いました。

設営をするマツ勘のスタッフ。この日のためにヘルメットやベストも調達して準備バッチリ!
さらに、展示デザインやリユース設営の分野で先進的な取り組みを行っているHAKUTENの皆さんにもご協力いただき、電気工事やリユースパネルの施工・撤去を担当していただきました。

HAKUTENのスタッフの方たちに教えていただきながら、ブース作りに挑戦。出展者自らブースを作ることは異例。
自分たちでブースを作り上げる経験は、まるで文化祭のようで、とても楽しく貴重な機会でした。会期中には、ブースの写真を撮る方やブースについて質問される方も多く、商品だけでなく、私たちの姿勢やユニークな会社としての姿を伝えることができたのではと感じています。
もちろん、不慣れな分野の機材探しや発注など、苦労の連続でしたが、ブースの撤去後に廃棄物がひとつも出なかった時の爽快感は、何にも代えがたいものでした。
私たちは箸専門の塗箸メーカーですが、ものづくりにおける「作る責任」、そして若狭塗という伝統工芸の核とユニークさを大切にしながら、今後も多様なかたちでその価値を伝えていきたいと考えています。

出展当日。関係者の皆様、ご来場いただいた皆様に心よりお礼申し上げます。
2025年6月27日 (株)マツ勘 一同
