お箸の専門店で日々箸を見ているスタッフはどんな箸を使っているのか!?こちらの連載では、箸蔵まつかんで働くスタッフの愛用箸をご紹介をしていきたいと思います。お箸のプロが選んだ品は皆さんにきっと自信を持っておすすめできる商品のはず。ご参考にお楽しみください。
記念すべき第一回目は、勤続年数20年超のベテラン浅田さん(以下:A)にお話を伺ってみました!
ーーまず初めに、自己紹介として、毎日どんなお仕事をされているかを教えていただけますか?
A:普段してることは、製造メーカーさんから入荷された箸の曲がりや汚れ、傷をみる検品作業をしたり、出来上がった箸をパッケージに入れたり、外注準備、それから倉庫の在庫管理、あとは箸の出荷、一般卸売のお客様とオンラインとで両方携わらせてもらってます。色々やってるおばちゃんって感じです。長いことここにおります(笑) 気づいたら20年ちょっとはいるかなぁ。
ーー商品出荷に関わる大切な業務に全て関われているのですね!早速ですが、浅田さんが普段愛用しているお箸やこれは贈り物としてとてもいいよ!というおすすめのものがあれば、ぜひ教えてください!
A:正直とても迷います。箸はここ小浜の地場産業だし、自分も箸屋に勤めてることもあって、とにかく箸がこれでもかってくらい家にいーっぱいあるのよ!お箸に関わる人が多いから、きっとどこの小浜のご家庭でもそうだと思うけど…
だからあらためて、吟味して選ぶのは大変。でも今日は、その中から長く箸と付き合っている私が、”これ!”っていうものをいくつかご紹介しますね。
ーーはい、お願いします!
A:まずイチオシは、この羽田さんのところで作ってる、古代若狭塗、”糸がらめ”。
ーー本当に細くて、ラインが美しいですね。
A:そう、細いのよ。塗り重ねて、研いで、この細さの中に美しさが凝縮されているというか。これは古代若狭塗の文様を再現したものなんですよ。本当にいいものだから、贈り物としてももちろんなのだけど、自分への特別なご褒美のような感じで、あえて自分に買うことをおすすめしますね。
見てるだけでうっとりしてしまうこの光沢感、すごいでしょ?
ぜひこの箸で、美味しいものをゆっくりいただいて欲しいです。
オンラインでは取り扱っていないものだけれど、本店のgoshoenや百貨店では販売しています。実際この商品を見かけたら、いいお値段はするけれども、ぜひ手にとってみて欲しい。
何で贅沢をするかは人それぞれだと思うけど、毎日使うものに特別いいものを〜っていうのも私はいいんじゃないかなって思ってます。
でもさすがに家族の分は揃えられないから、自分のだけでもね!(笑)
ーー確かに(笑) 日々がんばっている自分への労いは大事ですよね。
A:ほら、今はバレンタインでも、クリスマスでも誰かに送るんじゃなくて、自分にプレゼントを!とか最近はよくあるでしょ?そういった時に、ぜひこんな特別なお箸を自分用に買い足すのも素敵じゃない。
次に私がおすすめしたいのは、この”Sabi 堆朱(ついしゅ)”っていうお箸。元々堆朱っていうのは、重ね塗りの技法で、色を何重にも重ねて塗って、それを研いでいって柄を出すっていうやり方。これは現代版の堆朱だから、層数は伝統的なものと比べて少ないのだけれども。細い中に見えてくるたくさんの層は、これだけ塗り重ねてあるんですね。
何が好きかって、この手触りがすごく好きで。四角なのに柔らかい感じがあるのと、あとは名前が”海”っていうのね。みんなのイメージする海って、その人が近くで見てきた海であることが多くて、それぞれだと思うのだけど。
小浜湾って、浅いところも深いところもあって、時間で海の色が刻々と変わっていく様子が、この箸に表現されているなって。それを考えるだけで、すごくかっこいい〜〜!と思うのよね。
ーーそう言われてみるとそうかもしれない!私は今年の始めに海のない県から引っ越して来たばかりなので、自分が頭の中で思い描いている海の色とも違って何だか新鮮です。
A:細さもちょうどいいくらいで、持ちやすい。これより細いのは、私は少し持ちにくいかな?と感じてしまうから。
あとは、これ結構柄合わせで検品が大変な作業なの。両方とも柄の出方が同じ具合のものを揃えていかないといけないからね。一つ一つ丁寧に作られているものだから、一つとして同じものはないし…そういった意味でも特別感がありますね。
ーーそこにおしゃれを感じますね!
A:それから、これが最後のお箸なんだけど。食洗機okな漆八角金彩。そんなに渋すぎず、いい具合に上品な金色が入っているのがいいなと思っていて、何より八角のお箸がほんと好きなんですよね…私。
ーーへ〜、何でですか?
A:八角は持ちやすい、掴みやすい、食べやすい、手に馴染むからかな。手荒れを良くするので、角張ったものとかは角が当たって気になってしまって。面が多いぶん、優しく受け止めてくれるのはやっぱり八角かなぁ。面なしの”丸”の形になると、逆に持った時に避けられている気がするから、ほんと面白いよねぇ笑
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以上が浅田さんのお気に入りお箸3点でした!見た目だけでなく、やはりお箸は毎日使う生活の道具。毎日たくさんのお箸を見ている浅田さんも、持ち心地やフィット感が選ぶ際に重要になってくるんですね。
この秋から新しくなった箸蔵まつかんのサイトでは、テイストからお箸の形まで様々なカテゴリーからお箸を探していただけるようになりました。ぜひみなさんもおすすめを参考に、お好きなお箸を選んでみてくださいね!
商品概要
- 古代若狭塗、”糸がらめ” 23.5cm ¥27,500 税込(オンラインストア非掲載商品)
- Sabi 堆朱(ついしゅ)海/火 22.5cm ¥3,080 税込
- 食洗対応箸 漆八角金彩 21.5cm/23cm ¥2,200 税込